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燦々たる星

 燦々たる星は、もはやここではただの空の星ではない。一つずつ膚に谷の刻みを持ち、ハレーションを起しつつ、悠久に蒼海を流れ行く氷山である。そのハレーションに薄肉色のもあるし、黄薔薇色のもある。紫色が爆ぜて雪白の光茫を生んでいるものもある。私は星に一々こんな意味深い色のあることを始めて見た。美しい以上のものを感じて、脊椎骨の接目接目に寒気がするほどである。
 空地の真中から、草葺きのバンガローが切り拓かれた四方へ大ランプの灯の光を投げている。
 その光は巻き上げた支那簾と共に、柱や簾に絡んでいる凌霄花にやや強く当る。欄干の下に花壇もあるらしい。百合と山査子の匂いとだけ判って、あとは私の嗅覚に慣れない、何の花とも判らない強い薬性の匂いが入れ混って鬱然と刺戟する。
 私と社長は、その凌霄花の陰のベランダで、食後の涼をいつまでも入れている。娘は食後の洗物を手伝って、それから蓄音機をかけて、若い事務員たちのダンスの相手をしてやっていたが、疲れた様子もなく、まだ興を逐うこの僻地に仮住する青年たちのために、有り合せの毀れギターをどうやら調整して、低音で長唄の吾妻八景かなにかを弾いて聞かしている。若い経営主もその仲間に入っている。会計事務所では、しっかりとした相続対策をサポートいたしますということでした - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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