クレジットカード王国の最新の日記
<< 前の日記へ 一覧を見る 次の日記へ >>

 

張鬼子

 洪州の州学正を勤めている張という男は、元来刻薄の生まれ付きである上に、年を取るに連れてそれがいよいよ激しくなって、生徒が休暇をくれろと願っても容易に許さない。学官が五日の休暇をあたえると、張はそれを三日に改め、三日の休暇をあたえると二日に改めるというふうで、万事が皆その流儀であるから、諸生徒から常に怨まれていた。
 その土地に張鬼子という男があった。彼はその風貌が鬼によく似ているので、鬼子という渾名を取ったのである。
 そこで、諸生徒は彼を鬼に仕立てて、意地の悪い張学正をおどしてやろうと思い立って、その相談を持ち込むと、彼は慨然として引き受けた。
「よろしい。承知しました。しかし無暗に鬼の真似をして見せたところで、先生は驚きますまい。冥府の役人からこういう差紙を貰って来たのだぞといって、眼のさきへ突き付けたら、先生もおそらく真物だと思って驚くでしょう。それを付け込んで、今後は生徒を可愛がってやれと言い聞かせます」

探偵に頼んでおけばよかった - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

コメント

コメントはまだありません

コメントできません