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しかし冥府から渡される差紙

 しかし冥府から渡される差紙などというものの書式を誰も知らなかった。
「いや、それはわたしが曾て見たことがあります」
 張は紙を貰って、それに白礬で何か細かい字を書いた。用意はすべて整って、日の暮れるのを待っていると、一方の張先生は例のごとく生徒をあつめて、夜学の勉強を監督していた。
 州の学舎は日が暮れると必ず門を閉じるので、生徒は隙をみてそっと門をあけて、かの張鬼子を誘い込む約束になっていた。その門をまだ明けないうちに、張鬼子はどこかの隙間から入り込んで来て、教室の前にぬっと突っ立ったので、人びとはすこしく驚いた。
「畜生、貴様はなんだ」と、張先生は怒って罵った。「きっと生徒らにたのまれて、おれをおどしに来たのだろう。その手を食うものか」
「いや、おどしでない」と、張鬼子は笑った。「おれは閻羅王の差紙を持って来たのだ。嘘だと思うなら、これを見ろ」
探偵に頼んでおけばよかった - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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