クレジットカード王国の最新の日記
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「はあ、大きな銀杏だな」

「はあ、大きな銀杏だな」
 半七は茶を飲みながら往来をながめた。今までは気がつかなかったが、この店の筋向いには何か小さな祠のようなものがあって、その前の空地には可なり大きい銀杏の木が突っ立っていた。時雨を浴びた冬の葉は、だんだんに明るくなって来た日の下に、その美しい金色をかがやかしていた。
「なに、葉が落ちてしようがありませんよ」と、辰蔵は云った。
「だが、銀杏は冬がいい」
 新らしい草履でぬかるみを爪立ってあるきながら、半七はその銀杏の前に立った。足の下には黄いろい落葉が一面にうず高くなっているのを、半七は何げなく眺めていたが、更に眼をあげて高い梢を仰いだ。そうして又うつむいて、何かその落葉でも拾っているらしかったが、やがて店のなかへ引っ返して来た。探偵といえば - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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