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読書日記7/28

半島を出よ 上・下
村上龍

村上龍はキチガイを描かせると天才やね。

しかしそのキチガイをキチガイと見る所以が「多数派の見方にすぎない」ことを、今回は日人の多数派たる読者(私)にとっては異端者中の異端者である北鮮の特殊部隊の兵士を語り手の一方に迎えることで、これまでの作品よりもより読者(私)にすんなりと受け入れさせてしまいます。

しかもこの異常な納得を得させる話の筋が、無能な日政府に踏みにじられる地方都市であるとか、エリート特殊部隊をその異能を持って打ち倒すはみ出し者という(ハリウッド映画ではジョックスを倒すナードという、こう言っては何ですが手垢のついた)、「判りやすい」ものであるところがまた凄い。
こうなっては予定調和に向けて走る話の筋よりも、ディテールに読者は目を向けざるを得ないではないか。
そしてその描写がいつも通りというかいつも以上に冴え渡っているのです。

素晴らしい。
もう一度書く。村上龍はキチガイを描かせると天才やね。

聖☆おにいさん1、2
中村光

キリストとブッダが休暇で下界に来ている、というマンガ
ゆる~い笑い。笑っていても爆笑じゃなくて「灰から息が漏れる」のが長く続く感じ。

喫茶店で1話だけ読んで、あまりにも気になったので買ってみたが、大正解でした。

しかしこれ、ムハンマド入ってたら中村光も講談社ももうこの世にいないよね。

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