事変の夜(満州国演義 2)

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事変の夜 (満州国演義 2)


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船戸与一

【内容情報】(「BOOK」データベースより)


軍部の暴走をめぐり対立する太郎と三郎、流されるままに謀略馬賊として軍に協力することとなった次郎、自分の犯した罪のため上海に潜伏する四郎…四兄弟の苦悩をあざ笑うかのように満州、そして上海で戦火が炸裂する。四つの視点がつむぎだす満州クロニクル、「満州事変」を描く第二巻。

感想2008/08

満州建国前後の異様な「空気」そしてその「空気」によって人々が動かされ、歴史が作り上げられて行く異様さ…それを敷島4兄弟の変節を通じて見事に描かれています。

外務官僚として関東軍を苦々しく思っていたが、次第に満州建国に傾いていく太郎
馬賊として「風に舞う柳絮のように生きる」ことを望みながら「金のため」関東軍の謀略に手を貸す次郎
憲兵隊中佐として頭角を現しながらも「謀略に狎れていく」三郎
主体性を持てず、流されるままに特務に手駒として使われる四郎

そのそれぞれ、そして世論、軍略までもが「時代の空気」に流されていく…。

「新事実の掘り起こしはしない」「今手に入る資料だけで描いている」とのことだが、壮大にして、その時代の「空気」を描いた満州叙事詩です…次巻は4巻「炎の回廊」です。

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