図説 「満洲」都市物語〔増補改訂版〕 (ふくろうの本)

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図説 「満洲」都市物語〔増補改訂版〕 (ふくろうの本)

内容(「BOOK」データベースより)
“建築は雄弁に時代を語る”。19世紀末~20世紀前半、帝政ロシア・日中国がくり広げた侵略・支配と抵抗のなかで、築かれ、営まれた四つの都市が、今、語り始める「満洲」の歴史。

内容(「MARC」データベースより)
19世紀末~20世紀前半、帝政ロシア・日中国がくり広げた侵略・支配と抵抗の中で、築かれ、営まれた4都市を訪ね「満洲」の歴史を振り返る。ハルビンのアール・ヌーヴォー建築、大連ヤマトホテルなど満鉄関連建物満載。


読書:2009年15冊目

満鉄の鉄道付託地に建設された都市の成り立ちを建築家の目から論じてあります。
当時南下政策を採っていたロシアが「世界の一流国」と目されるためにヨーロッパで一瞬だけ流行した「最新の」アール・ヌーボー方式を欧州では見られない大規模建築に採用したことや、そのロシアから欧州建築を学んで都市づくりをした日、また、それを見よう見真似で「ナンカ似てるけどちょっと違う」中華バロック方式を作り上げた支那人…それぞれの「思惑」が建築家によって露になるさまが下手な推理小説よりも面白かったです。
なにより、20世紀初頭の建物が、その堅牢さと、イデオロギーよりも「使えるものは使わないと」という支那の精神によって建物がそのまま残っていて、現在写真におさめられているのに驚きます。
どの写真も良い写真です…空がとても広いんですよね。北京や上海の高層建築ばかりが支那ではなく、1世紀以上も昔の建物を大切に使い続ける(空が広いことからも、他に高層建築を建てられないという経済的事由もあるのでしょうが)支那の姿も真実なのでしょう。
写真や地図、建築の解説ばかりでなく、マンホールの蓋から「これは満鉄が1920年に作ったマンホールの蓋ですね」など路上学問などのコラムまで幅広く収められており、隅々まで面白いです。

オススメ。

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