4月25日の履歴

2009年

土曜日

2003年


今日の読書

古武術の発見 知恵の森文庫
養老孟司 甲野善紀

最近野球関連で有名な甲野善紀さんと養老孟司の対談。養老孟司って聞き手としてナカナカだよな。
武術家で一般のヒトを納得させる論を張れる人がいない、ともいえる。

だがそれは当然といえば当然で、いわゆる武道武術というのは突き詰めて行けば突き詰めて行くほど一般化できうる、いわゆる技術ではないからだ。
桑田が甲野善紀について学んでいるのも、野球の技術ではなくて、「なんか桑田の中に塊として出来あがりつつあるナニか」を別種の達人と交わることによって自ずと形になるきっかけを貰っているわけだし。
達人というのは才能、鍛錬の結実、それらを総合した、いわばその個々の「個性」だから、それを他人と完全に分かち合うことは出来ない。
それは武道に限らないが、競技人口が少なく、競技ですらない場合もままある武道の場合は、その評価の難しさ、初期教育の難しさもあいまってより排他的な面が見えるんだろう。
んで、それを一般的なわかりやすさにまで「言葉」にする養老孟司って・・・と思った次第。

マークスの山(上下)講談社文庫
高村薫

主犯罪者が知的障害者と、自分にとってちょっと読むのが辛い1冊でした。
高村薫うまいね。

魔界転生 角川文庫
山田風太郎

柳生十兵衛の普通の人間っぷりが魔界衆とプロットの^^異常さに対比されていてなかなかイイ感じ。
昔見た映画とイメージがぜんぜん違うんですけど、これ、このまま映画化は辛そうなので、ええんではないでしょうか。新しい映画はどんなんかな。

オタクの迷い道 文集文庫
岡田斗司夫

的には「けッ」という態度で読んでいたのですが、たまに「そう思っていたけど自分では言葉にはなっていなかった」という文章もありました・・・って、要するに、ちょっと参りました。今後は「け」ぐらいにさせていただきます。

もう虫歯にならない 新潮OH!文庫
田信弘

このOH!文庫って煽りが多いけど、これはマトモ。
割と押さえて書いてあって、待合にも置け・・・るかな?

海嘯 中公文庫
田中芳樹

微妙。
これって私の能力の問題だと思うんだけど、中国の物語って登場人物のキャラが余程立っていないと、名前がすぐわからなくなる。
一気呵成に読めるかというと微妙だし、じっくり読むほどのモンかというと微妙だし、まぁ、微妙なとこかな。ナニ読んだかすら分からん、すげ~気抜けた感想だな。

実際読んだことを忘れて2回読んだ。その位心に残っていないんだけど、2回読めるんだから読むのが苦痛でもない。

んで、もう内容がよく思い出せない^^

ふつうの医者たち 文集文庫
南木佳士

最近のイチオシ。
対談形式なので、章ごとに登場人物が変わるので気分も変わるし、相手を変えつつ作者の考えなどを浮き彫りにする、という対談の良いところがバッチリはまっている。
内容的にもかなり深く考えさせられるものあり。
昨日も書いたが「死と太陽は見つめつづけることは出来ない」というのは名言だと思う。

ビール15年戦争
永井隆

プロジェクトエックス、ビール編。という感じ。
各大手ビール会社を満遍なく取り上げて、それぞれの項目がそれなりに読ませる。

鳥頭紀行
西原理恵子+勝谷誠彦

俺はもしかして西原理恵子ファンなのか?とは思うが、西原理恵子の単行は嫌らしくてキライ。
巻末に作者の取り巻きが「こんな素晴らしいを書かれた先生は素晴らしい」というヨイショ解説が載っていることがあるが、西原理恵子の単行はそれを共著者が文中でやってしまうからなぁ。何人も入れ替わり立ち代りヨイショすることもあり。
内容以前に、その単行の構成を許す編集者、そして西原理恵子のセンスを疑うぞ。恥ずかしくないのかなぁ。
それとも、自分の結婚式のスピーチをずっと聞いていたいタイプなんだろうか?

いやまぁでも、西原自身のマンガは面白かったです。でもそれだけだと分量が1/20ぐらいになっちまうわな。ということは95%がヨイショ埋草で、西原自身の記事は消費税分ぐらいしかないというわけか・・・。