狼花 新宿鮫IXの履歴
狼花 新宿鮫IX (新宿鮫 (9))
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大沢 在昌
出版社 / 著者からの内容紹介
「理想を頭にもたない警察官など、ただの権力者だ。俺たちが何のためにこれだけの権限を与えられているか、一日も忘れてはいけないんだ」理想と現実のはざまで、なお、求めつづける「正義」とは何か? 男の信念と絶望、女の愛と靭さ、国境を越えた個人と国家権力……さまざまな角度から日本を、現代社会を、「われわれ」を、深く鮮烈に描き出す渾身の傑作長編。
内容(「BOOK」データベースより)
地獄を覗かされ、日本を捨てた国際犯罪者・仙田。外国人犯罪を撲滅するため、限界を超えようとするエリート警官・香田。どん底からすべてを手に入れようとする不法滞在の中国人女性・明蘭。自ら退路を断ち突き進む男女の思惑と野望が一気に発火点に到達した時、孤高の刑事・鮫島が選ばざるを得ない「究極の決断」とは?理想と現実、信念と絶望、個人と社会、正義の意味、そしてこの国のありようが、骨太かつスピーディな物語に溶解していく。ターニングポイントとなるシリーズ最大の問題傑作、光文社初のハードカバーで登場。
感想2008/06
新宿鮫もいよいよ佳境?
今回も晶の出番ほとんどなし。確かに「ロックシンガーと付き合っている型破り警官」というのはすでに余分な要素で、鮫島は新宿鮫であるという一点ですでに型破りを確立したのだから、出なくて良いといえば良いんでしょう。
ただ、犯罪者としての宿敵&戦友・仙田と、警察官僚としての宿敵&戦友・香田の両名が一挙に退場、そろそろ物語りも佳境で・・・鮫島は新宿鮫として退場し、晶の元に帰るendとか、晶にも捨てられて全てを失うend?などと色々と想像して楽しんでいます。
内容とは関係ないですが、ハードカバーというのはやはりいいですね。
塩野七生がかつて「本というのは紙の束ではないのです」「その装丁、挿絵、全てを楽しんで欲しい」と言いましたが、まさにその通りですね。新宿鮫シリーズはハードカバーになる資格がある、是非ハードカバーで出しなおしてもらいたい!と思います。