新人育成の履歴
ひとつは、いわゆる「組織社会化」のニーズです。
つまりは、新人をいかに組織に順応させ、様々な関連知識を覚えさせつつ、「その組織の人にするか」が求められています。
これは別に目新しいことではありません。もともと、「新人育成」といえば、このことを意味するでしょう。
もうひとつは「組織活性化」です。これが先ほどの組織社会化とは一見相反するニーズであるような気がします。
新人が職場に配属されることで、その職場の中を活性化したい、というニーズがあるようです。何も知らない若手が成長する過程で、職場内で様々なコンフリクトをおこすことで、今まで自明視されていたものを疑う契機になってほしい。新鮮な目を職場にもたらしてほしい、ということです。今まで「一番下」だった人が、新人が入ることで自覚をもってほしい、ということも、どこかではあるのかもしれません。
実際、先日お話しを伺ったどの方も、経験値では、新人が入ると職場が活性化します、とおっしゃっていました。若手の職場への参入は、「組織活性化と言わない組織活性化」なのかもしれません。もしそうだとしたら、「新人を採用する意味」として、積極的にこのあたりを打ち出せばいいのに、とも思います。
(このあたりは、僕はデータを持ち合わせていないので、何とも言えないところです。そういうことが本当にあるのか、ないのかも、実証研究を進めなければならないと思います)
http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/10/post_1602.html