常に初陣の最新の日記
それからな
「それからな、」と彼は続けた。――「それから、行ってこう言うんだよ。――ガンは善人でごぜえます(とな)。そして、あの男も元はやっぱりその仲間でしたが、あんな分限紳士よりは、生れつきの紳士の方を、とっても――いいかい、とってもだよ――信用しています、とね。」
「うん、君の言ったことは僕には一言こともわからないねえ。」と私は言った。「だが、そんなことはどうだっていい。どうして僕が船へ帰れるかね?」
「ああ、そりゃあ困ったこったね、確かに。」と彼が言った。「よしよし、俺のボートがあるよ。俺がこの二本の手で拵こえた奴さ。
白い岩の下に隠してある。まさかの時にゃあ、暗くなってからあれを使ってみてもいいよ。おやっ!」と彼は急に呶鳴どなり出した。「あれぁ何だね?」
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