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尖閣沖衝突事件の中国船船長釈放の件

ほかにアクティブなブログを持っていないこともあり、ここの日記に書いておきます。政治記事を書くと荒らされる可能性があります。万が一荒らされるようなことになりましたら、本記事は削除(あるいは非公開)にします。

私の結論

今回の件、どちらかというと中国側の失策です。日本人のナショナリズムに火をつけ、アメリカが日米安保適用範囲だと言及したことにより、尖閣諸島実効支配という中国政府の目論見の難易度が上がったからです。

一方、日本政府は、あくまでも負けたフリを貫くべきです。

そもそも論

中国政府と中国国民は別々だと考えたほうがよい。

中国人が現在のように反日感情を抱くようになったのは、江沢民の反日政策からです。当初反日政策を共産党政権の正当化に利用しましたが、ここに来ていよいよ、中国政府は中国国民の制御ができなくなってきました。

その原因はメディアの発達にある

メディアの発達が不十分であれば、国民は事実を知ることはできませんし、国民同士が表現することができません。

しかし、1990年代にはテレビが農村まで行き渡り、2009年には中国のインターネット人口は3億人を突破しました(要出典)。中国のインターネットは、FacebookやTwitterへのアクセス禁止など国外へのアクセスを遮断していても、中国国内は比較的自由に表現が可能です。もはや中国人の反日意識は、共産党の当初の目論見から外れ、一人歩きをしているように見えます。

平時は何も問題ありませんが、靖国神社参拝や今回のような事件が勃発すると、中国人の反日意識が覚醒します。2005年の反日デモ、今回の事件が如実に表しています。

中国政府による中国国民対策

温家宝首相が強行姿勢の声明を発表しましたが、それはどちらかというと、感情的になっている中国人に向けてのリップサービスをしているように見えます。

中国政府の失策

中国政府の真意は、ここまで問題をこじらせたくはなかったはずです。中国国民の感情を押えるための温家宝首相の声明、それに同期するような、レアアース対日禁止規制報道、そしてフジタ社員の中国での逮捕、さらに日本が折れる形での中国船船長の釈放。

日本人のナショナリズムに火をつけてしまい、アメリカも日米安保適用範囲だと言及させる結果になりました。

そもそも多くの日本人は普天間にも尖閣諸島にも関心がなかった。

事実、韓国が竹島を実効支配しているからといって、多くの日本人は反韓感情を持っていません。中国にとって、普天間が県外に移設し、アメリカ海兵隊が沖縄から遠のけば、尖閣諸島奪取がやりやすくなりました。しかし、そのことに多くの日本人は無頓着でした。

今回の事件によって

今回の事件がなければ(中国政府視点)

  • 普天間の県外移設を睨み、尖閣諸島を狙う。
  • 漁船、監視船を送り込み、可能性を試す。
  • 普天間が県外に移転したら、可能性試験を強化する。
  • 最後には軍艦を差し向け尖閣諸島を実効支配する。
  • 日本人は怒らない(めでたしめでたし)。

今回の事件によって(中国政府視点)

  • 日本人が怒ってしまった。
  • 日本人が尖閣諸島問題を改めて意識してしまった。
  • 日本人が改めて中国の脅威を意識してしまった。
  • 今後、アメリカ海兵隊を沖縄に留め置く方向に日本世論が傾くだろう。
  • アメリカ海兵隊が沖縄に留まれば、尖閣諸島奪取は難しくなる。あ~~


もちろん、中国にとっても、切れるカードはまだありますので、これだけで断念とはならないでしょうが、持ち手の数が減ったことは確実です。

日本視点

日本政府側がそれを画策していたかどうかまでは疑問なので、日本政府にとっては棚から牡丹餅的な勝利でしょう。

ここで重要なのは、日本政府が勝利宣言をしない、勝利の素振りを日本国民に見せないことです。なぜなら、日本が勝ったことになると、また日本人が尖閣諸島、普天間問題、そして国家安全保障に無関心の状態へ戻ってしまうからです。

日本政府は負けたフリをしておいたがほうが、日本・日本国民のためです。

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