リベラル
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「リベラル」(Liberal)というのは、聞こえのよい言葉だが、案外曖昧な言葉なので利用方法に注意が要する。
ヨーロッパとアメリカでは、受けとり方が大きく違う。
ヨーロッパでは、王権に対して、市民が血を流しながら自由の権利を獲得し、民主主義の制度を作り上げてきた歴史をもつことから、同じ「リベラル」でも、他者の介入を許さないという「個人主義」にちかい意味合いで使われる。
これに対して、アメリカにおける「リベラル」は、社会的平等や校正の実現には政府が積極的に介入すべきであると考える、いわゆる「大きな政府」を支持する立場だ。
出典:『美しい国』 安倍晋三(著)
日本において、歴史上、リベラル=民主そのものを政党名に冠した政党は二つある。1990年代後半に成立し現在までつづく民主党と、1955年の保守合同まで存在した民主党である。
現在の日本ではどちらかというと、アメリカ的ニュアンスに近い。あえて漢字で書けば「民主社会主義」ということになるだろう。1955年以前の民主党は、より保守的ということもあり、どちらかというとヨーロッパ的ニュアンスに近い。
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