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子ども同士がたがひに

 子ども同士がたがひに影を踏み合つてゐるのは別に仔細もないが、それだけでは面白くないとみえて、往々にして通行人の影をふんで逃げることがある。迂闊に大人の影を踏むと叱られる虞れがあるので、大抵は通りがかりの娘や子供の影を踏んでわつと囃し立てゝ逃げる。まことに他愛のない悪戯ではあるが、たとひ影にしても、自分の姿の映つてゐるものを土足で踏みにじられると云ふのは余り愉快なものではない。それに就てこんな話が伝へられてゐる。
 嘉永元年九月十二日の宵である。芝の柴井町、近江屋といふ糸屋の娘おせきが神明前の親類をたづねて、五つ(午後八時)前に帰つて来た。あしたは十三夜で、今夜の月も明るかつた。http://mindia.jp/book/oukoku/entry/7141

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