少数精鋭の履歴

究極の少数精鋭とは一人である論

4人というのはやはり大所帯だったということです。アーキテクト・デザイナ・クライアントという専門には重複がなく、これにアーキテクチャとデザインの両方を見られるマネージャであるぼくを加えて4名なら、適正な少数精鋭と言えると思っていました。しかし、これは決して「少数」ではなかったのです。

自分が技術的に成長した今だから言えることですが、今のLingrやRejawのようなプロダクトなら、1人か、多くても2人ぐらいで作れるべきであった、と思います。「少数精鋭」を突き詰めると、究極的には1人になるということでしょう。

そして、人数が多くなると「スピード」の遅さに直結します。専門分野の違う優秀な人たちが協力して作り上げることで確かにクオリティは高くなるのですが、開発時の意見のぶつかり合いによるストレスは格段に増え、あるいは専門による分業を明確にして衝突を避けようとするとその隙間でとんでもない見落としがあったりして、どうしてもスピードが落ちます。それぞれ個人としていかに優秀であっても、その能力が存分に活かせなくなってしまうのです。その結果、 3年間で2製品。変化の早いウェブの世界のものさしで測ると、これは泥亀のようなスピードだったことに気づかされます。