ウェブはバカと暇人のものの履歴
ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
いやー非常に共感できる部分だらけでした。
実は僕も2ちゃんねるやdankogaiブログに対する偉そうな匿名コメントに対しては
「気持ち悪い」と思うことが多いし、
「Twitterにノーベル平和賞を」とか、Webに対する一部からの賞賛され方に違和感を感じたりします。
そういうモヤモヤをばっさばっさ活字にしてくださり、気持ちよかったです。
結論としては「確かにウェブはバカや暇人の方が有効活用できる」と思っています。
理由は頭の良い(と呼ばれる)人よりバカ(と呼ばれる)の人の方がリスクを恐れず
情報をアウトプットできるから。
ただ、最後の「ネットはもう進化しないし、ネットはあなたの人生を変えない」という文章は正しくないと思います。
進化しないのは「ネット技術」だけであり、
「ネットを用いる文化」は今後も発展していくことは確実です。
そして「ネットを用いる文化の発展」はあなたの人生を変えると思います。
私事で恐縮ですが、このmindiaというWebサービスでも
インターフェースの向上や機能追加はあっても
今までにない新しい技術革新が起こってブレイクするなんてことは
予想していません。
ただ、現在は自分の頭の中にあるコトバをアウトプットするという「文化」が世の中で定着してなくても、
将来的には今よりも定着していると思います。
僕みたいに頭の回転が遅くてなかなか自分の考えをアウトプットできない人(いわゆる「バカ」)
「『結婚』というコトバに対する自分なりの説明を10年間かけて100回再編集を繰り返して作り上げました」
なんてことが増えたら人生変えられるぐらいのインパクトを持ち得ると思うんですよね。
電話や新幹線じゃ世の中は変えられない
ネットより電話、電話より直接話す方が
細かいニュアンスも伝わったりと優れているとは思う。
でも、
「ネットが世界を変えるなんて幻想は捨ててネットよりも電話や直接会うことを大切にしよう」
という考え方は今までしがらみの中で共有できなかった人々の本音(政治や宗教に対してなど)が
やっと拾えそうになったのにまた人々の胸の内に留めることになるような気がします。
特に納得したのはP236の「洗剤のCMは何十年も『当社従来製品比』で進化し続けていることになっている」という話
「酵素の力」「マイクロ粒子」といった我々によくわからない新ネタを投下することによって、「さらに白くなった秘密」を毎回納得させようとしている。
というわけです。
もしかしたら洗剤業界も、業界人からすればすごく技術的な進歩を目の当たりにしているのかもしれません。
しかし、利用者である僕たちはその変化をあまり理解できません。
Ajaxとかクラウドとか、僕たちにとっては新しい技術のように見えても外から見たらなんの魅力も感じないんだろうなぁと思います。