ヘルシオは産学連携の賜物の履歴
シャープ 電化商品 開発センター 井上隆 氏 (イノベーティブワン)
http://www.innovative.jp/interview/2006/1129.php
一旦、「調理器」という概念から離れたんですね。そんな風に言い換えたコンセプトを、何十と頭の中に用意しておくわけです。そして、そのうえで大学や公的機関の研究所巡りをする。そうすると、自分のつくったコンセプトを体現した研究が、かなりの確率で出てくるんです。企業の技術者には、「大学でやっている研究は、自分たちの欲しい技術とマッチしていない」と言う人もいるのですが、何もコンセプトを用意していなければそういう風に見えると思います。空振りに終わる。だって、大学の研究所は、既存の技術の延長線上で研究しているわけではありませんからね。むしろ先端の研究テーマが多いわけです。だからこそ、現状をブレークスルーするヒントがそこにある。違う角度の視点を与えてくれるんです。また、違う角度の視点を持っていけば、しっかりとそれを裏付けてくれるんです。そういう意味で、私は大学をシーズの宝庫だと考えているんですね。