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読書メモ7月第1週/7/4分2冊目

/永瀬隼介

最初は装飾過多な文章に「ちょっとこれは・・・」と思ったが、現代過去と視点が二転三転するうちに気にならなくなってきた。
幸せそうな少年時代の過去と、くたびれた中年の現代のギャップ、それを描くスタンド・バイ・ミーか?と思ったが、徐々にその「幸せそうな少年時代」が「他人から見れば」の限定付きであることが明らかになる。
豪雨の山の中で友達「3人」と過ごし、生死の狭間で、主人公は哀しい現実と「現実の」に気がつく。
やがてそれが現代の中年の自分にも・・・。
読み終わってみると「単純な**話」なのだが、あえて装飾過多な文体で、しかも現代過去を行き来しつつ描くことによって、段々と可視的な文章に幻惑される心地よさが生まれてくる。
叙述トリック的なところもあって読んだ後に「ああ」と膝を打つこと請け合い。

なかなか読ませる逸品かも。

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