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アベノ橋魔法商店街(全13話)

某2佐にDVDを貰ったものを一気見。

アルミかわいいよアルミ…絵も非常は良く動いて気持ち良いです。

(ネタバレ上等なので改行します。)



























  • 絶望すら許さない、永遠に続くかなえられない希望という地獄-


主人公サッシとヒロイン・アルミがサッシが構築した魔法世界でドタバタするというのが全体の流れ。

そのきっかけは1話でアルミの祖父が死亡し、その現実を受け入れられないサッシが自分の望む世界を構築していく、やがて初代阿部野橋商店街を構築した安倍 晴明、安倍 晴明を失うことに残「念」したサッシの祖母などを巻き込んで物語はすすんでいく。

ドタバタをはさみつつ、最終話付近になって、主人公サッシの父親によって「なに何時までも遊んでんねん、はよ帰って来い」「まだやってんのか、だからお前は子供やいうんや」「あいつ(安倍 晴明)と一緒や」と、「現実をそのまま受け入れる」「それが大人」と、「悲劇を含んだ現実を受け入れることが大人になるということ」と提示される。
この13話ほとんどを占めるパロディ、ドタバタは「現実を受け入れられない子供の遊び」だと喝破したのだ。

それに対し、それを受け入れようとするヒロイン、アルミに対し、サッシはそれを拒否、安倍 晴明の助けもあって、現実を改変してしまう。
そしてアルミの祖父が死なず、アルミとともに「何時までも末永く」サッシが暮らせる世界を構築する。そこには安倍 晴明の姿もあった…。

さて、ここで最終話でサッシは「悲劇を回避」したのだろうか。
否、安倍 晴明同様、「現実を受け入れない」「大人になれない」ことを選択「してしまった」だけだろう。
その世界は元の世界・・・現実世界ではなく「なに何時までも遊んでんねん、はよ帰って来い」と言われる自分の構築した世界に過ぎないわけだ。
虚構世界を訪れてそれが虚構世界であることの証左として「ムネムネ(残念したアルミの祖母)が存在することを作中何度も主人公たちは確認している。そして、彼女は最終話で最終構築した世界にもいるのだ…
安倍 晴明と共に。

この一見ハッピーエンドに見える虚構世界で「受け入れがたい悲劇」が再び起こったとき(今回助命したアルミの祖父の死もそう遠いものではないだろう)、サッシはもう一度、虚構世界を構築するのだろうか・・・1000年以上世界を構築し続け、それでもなお虚構世界を構築し続ける安倍 晴明のように。
「なんでオレは今子供なんや!」の叫びと共にサッシの力を解放し、世界を再構築させた安倍 晴明は「まだやってんのか、だからお前は子供やいうんや」「あいつ(安倍 晴明)と一緒や」の言葉を聞いて、何を思うのだろうか。

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