僕たちの好きだった革命

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僕たちの好きだった革命

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046210729/tanelorn...

鴻上 尚史

出版社 / 著者からの内容紹介

長い眠りから覚めた山崎が高校に革命を巻き起こす。大人気舞台を小説化!

携帯もCDも知らない47歳の男が僕たちの高校に復学してきた。30年の眠りから覚めた山崎の言葉は、理解できないことばかり。だけどいつの間にか僕たちは、革命に向かって走り出していた。大人気舞台を小説化!

感想2008/07

意識不明の30年を経て目覚め、学生運動の「続き」をやろうとする主人公と、現代高校生とのドタバタ劇・・・なんですが

これラノベ?と読みながら思いました。(上の出版社 / 著者からの内容紹介を読んで舞台の小説化と知りましたが。)

ラノベがナニか、という論は難しいが、私なりには「行間を読む余地を持たせない文章」であること、としたい。
その意味では、主人公を、このではタイムスリップで30年後に飛ばされてその時代に適応することをがえんじるかどうか苦悩する青年でもなく、目覚めた世代に適応しようとする年端も行かぬ中年男性でもなく
「30年前の学生紛争(それも大学生の、では無く、学生運動ですらモラトリアム風味であった高校生の)しか決して受け入れられない中年高校生」としたところがミソでしょうか。
「他に選択の余地が無い」と(当はあるんですけどね)強引に持っていくあたりがラノベっぽいですね。

その意味で

「自分たちが選択してそうした」と「思い込んでいる」団塊世代にも、現代の高校生にも(多分)受け入れがたいストーリー、文章が並び、その背反が面白みを与えている・・・と思う。

文学的には凡庸以下だけど、反抗のための反抗ではなく「自分で選ばなきゃ」というテーマを選択して「読者に行間を読ませない、選択させえない」ラノベの手法を使った作者のヒトの悪さ、巧みさに舌を巻きました。

これは面白いです。

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