がん給付の心配り
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「あたりまえ」を貫くための「あたりまえ」でない取り組み
請求漏れ防止などきめ細かく配慮されたがん保険
内藤 眞弓
日経BP 2010年5月11日(火)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100510/214312...
いまでこそ、本人告知が一般的に行われるようになってきたガンだが、十数年前まではそれは決して当り前ではなかった。家族が本人への告知を避けてほしいと言えば、医者は本人告知を避けた。そんな時代にがん保険を扱っていたアフラックのがん保険給付の際の心遣い。消費者目線ですなぁ。
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アフラックにとっても、本人が知らないのにどうやって給付に結び付けるかは大きな難問でした。今では他の保険会社も行っていますが、アフラックでは 30年以上も前から、家族から連絡を受けた後、請求書類を社名の入らない白い封筒で送る、あるいは、住まい以外の住所に送るなどの工夫をしています。
また、振り込み先を家族以外の口座にしたり、ケースによっては支払いを留保したりすることもあります。契約者宅に連絡をする際、本人が電話口に出ると化粧品などのセールスと偽って家族の人に代わってもらうといったこともあります。
また、契約者の中には、がんではないかと疑心暗鬼になって、わざと「保険金を請求しているけれどまだ下りないのか」と電話をかけてくるもいらっしゃるそうです。契約番号から検索して
「不告知」と分かれば、たとえ保険金請求中であっても「いいえ、受け付けてはおりませんが」との対応をします。
過去に保険金を受け取っているけれど本人がそのことを知らず、せっかく加入しているがん保険なのに解約を申し出た方への対応、がんであることを知らずに申し込みをした方への対応など、さまざまな「配慮の体系」が巡らされているのですが、あんまりネタばれするとせっかくの配慮が台無しになるのでこの辺にしておきます。従業員数約5500名のうち、600名の人員を保険金課に配置していることからも、どれだけ給付に力を入れているかが分かります。
不告知があたりまえの時代から、だんだん本人に告知をするようになり、現在は請求の9割くらいが本人からのものです。だからといって配慮が要らなくなるというわけではありません。いまだに1割の人は不告知ですし、がんという病気の特徴として、再発・転移があります。初めてがんになったときは告知を受けることが一般的になりましたが、再発・転移は知らされないことがまだまだ多いようです。
本人への不告知だけでなく、本人は知っているけれど家族には知られたくないとか、会社には知られたくないとか、家族の中のある人物には知られたくないとか、がんという病気ならではのさまざまな事情があります。それらに個別に対応していくノウハウが「配慮の体系」の言葉に込められています。
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