データのアナライズの限界

0pt

データに対するアナライズの需要が高まっている。増え続ける非構造的なデータと、環境の変化のスピードが高まっていることがあり、単なる過去のデータ分析から、膨大な量の非構造データを結びつけて、将来の一手を打つことが求められている。

だがそれで本当に解にたどり着けるのだろうか。


こんな話がある。
地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法
http://www.fallinstar.org/2010/04/ideo.html
_______________________
「自動販売機(ジュースとか)の売り上げを上げて欲しい」という依頼に対し、Idioが出した解は「自販機の上に時計を置く」だった。

もしマッキンゼーに売り上げ向上を依頼したら、翌日から猛烈な勢いで販売データの分析と各駅の売り上げのばらつきを調べだす

もし広告代理店に売り上げ向上を依頼したら、「よし、3億円広告を打ちましょう!」ととりあえず言ってくる。


Idioは、地下鉄のホームへへばりつき、自販機を買う人、買わない人の行動をとにかく観察し続けた。行動調査である。

その結果

地下鉄を歩いている人は、電車の待ち時間をみんな気にしている

自販機で物を買う人も、買う直前に(多分ジュースを飲む合間があるか)時間をチェックしている

→「じゃぁ、時間をチェックする時計と自販機をセットにして置いたら、購買が促進できるのでは?」

___________________________


あるいは、
__________________________________
「やってみてはじめて分かる」気づき
ホットペッパー、ピクサー、P&Gは意思決定のプロセスを磨いた
2010年4月22日(木) 日経BPより
木村 公昭

P&Gの事例
メキシコで住居用洗剤、ダウニーのシェアが伸び悩んでいた。

P&Gは消費者に密着して観察する「Living It」、ローカルのお店で働いて買い物客を観察する「Working It」といった観察プログラムを開発して世界中で実施している。

メキシコにおいて同様に実施されたそれにより、わかったことがある。

それは、通常のすすぎでは大量の水を必要とするが、それだけの水を用意することが大変な労力を必要とするということだ。

「『あ、そうか』と気づいたのは、低所得者層のメキシコ人にとっていかに水が貴重なものかがわかったときです。彼らとともに生活してはじめて理解できたのです」

 Living Itで得た気づきがヒントになって、P&Gはすすぎの回数を1回に減らしたダウニー・シングル・リンスを発売し、大ヒットとなった。
_________________________________

いずれの事例も、消費者の行動をその目で見て、確認し、それらの現状を人間の脳みそがデータを分析して、仮説を導き出している。


はたして、これと同じことが、ITによって可能になるのだろうか。
結局尽きるところ、どのようなデータとデータを結びつけるかという判断は人間にしかできないのではないか。それを基に、どのようなデータを集めるかというのも、また人間しか判断できない。
もちろんITでしかできないこともある。発電量の最適化なんてそうだろう。ただITができない分野もまた存在する。
コンサルはそこで活躍するしかないだろう。

「データのアナライズの限界」について友人に書いてもらう。

あなたにとって「データのアナライズの限界」とは?

ログインするとワンクリックでキーワードを投稿できます

ログインする 新規登録する

他の人の「データのアナライズの限界」を見る