AZスーパーセンターの履歴
091218 日経BP wikipediaより
1号店のある鹿児島県阿久根市の人口は2万4000人。高齢化も進む地域にあって、来客数は実に1日平均1万7000人、年間650万人。年商は100億円を超えて伸び続けている。
『AZスーパーセンター』の考え方はこうだ。
「店が少ない田舎だからこそ、何でも揃う店、いつでも開いている店が必要だ」「平均所得の低い田舎だからこそ、価格は安くなければならない」「レジャーの少ない田舎だからこそ、買い物を楽しめる場所があれば心から喜んでもらえる」「チラシは、コストばかりかかってお客様の ためにならないので特別な場合を除いて配らない 」
* 片道100円の送迎バス(阿久根店のみ)があり、電話予約すれば1人暮らしの高齢者や、移動手段を持たない住民も来店することが可能。また帰宅時には、購入した製品を玄関先まで運んでくれるなど、体が弱いお年寄りには助かる配慮がある。
* 来客は食料品や生活品を、1週間分~2か月分と一度に大量に購入していく。客は、持ち帰る嵩(かさ)を減らすため、キャベツの表面を捨てられるようになっているが、別の客はそれを無料で持ち帰ることができ、動物のえさに利用するなどムダが生じない工夫がある。
* 夜9時から翌朝7時までの売上げが、全売上げの3割を占めるという。
共働きの家族が、仕事のあとに子どもをつれて来店するため、夜9時以降でも子どもたちが店内を走り回る姿が見られる。地方の人は、夜は早く就寝すると考えられていた生活パターンに、変化がおきている。
60歳以上と身体障害者には、消費税分をキャッシュバックするサービスがある。
定年制度を設けていないため、60代以上の高齢の従業員もいる。
店舗は社長の意向ですべて平屋建てになっている。平屋建ての理由は、牧尾英二社長いわく「(高齢者にとって)階段の上り下りは煩わしいだけ」。
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このビジネスの成功要因は何だろう。
従来の24時間営業で、他品種の品揃えと言えばドンキホーテのような企業が思いつく。だがAZスーパーは、それよりもはるかに規模がでかい。
加えてドンキホーテは、ある程度都会や住宅街にある。
過疎地で高齢化が進む地域での、ビジネスとは明らかに異なる。
そもそも過疎地で高齢化の土地で、物なんて売れないと考えるのが基本。実際に多くの地方都市を見ても、そう思う。
特徴的なのは、深夜の売上が高いことと、以上とも言える集客力。
これを生み出す仕掛けは何か。
■深夜の売り上げが高い
→共働き世帯が買い物に来る。
→おそらく、仕事帰りに「車」で立ち寄る。エンターテイメントとしての要素も含む。
従来はスーパーやコンビニが代替していた需要を取った。加えて、エンターテイメントの分需要の拡大につながった。
これが都市圏だと、そもそも深夜に車で立ち寄らない。わざわざ行かなくても、近所で済ませられるサービスがある。
思うに、地方都市だとそれこそコンビニ行くのも車で10分とか平気であるわけで、だったら、20分かけてAZまで行こうかというノリなのではないだろうか。。
これを可能にしてるのも、馬鹿みたいに大きな店舗。中途半端なサービスでは、従来通りの「売れない」という定説がそのままになってしまう。
■高齢者が来る。
バスがある。商品配達がある。店員が高齢者もいて、大型スーパーだけで居心地がいい?
大型スーパーに老人が買い物に来るって言うのは、どうも絵として想像つかない。とはいえ、百貨店とかだと老人でも来てる。
この垣根は何だろう。。店員との距離感とか、客層っていうのを老人は敏感に感じて近づかないようにしているのではないだろうか。。それを呼ぶ仕掛けを作って、なかも居心地良くしてあげた。多分店内レイアウトもわかりやすいはず。
うーん、どうもそれだけだとパンチが弱い。。なぜ老人の客が多い。。そもそも老人は百貨店的要素を好む傾向があり、そういった業態の店が、この周囲だとなかったってだけのことなのか。。
ってか、これって結局地域の小売等々のサービスを全て、一か所に集中させて効率化図って、それを値下げに回す。かつ、それによって田舎にとって店が一種のエンターテイメントスペースとしての意味合いも持つようになる。
そんなイメージ。とすれば、このスーパーの近くの地場系の店とかは軒並み潰れて、客はこのスーパーに集約されてるんじゃ。。。
だったらいっそ、このスーパーの横に、公民館とか、ラウンドワンとか誘致して、テーマパークみたいな形にして、その施設内を循環バスとかが走る構造にすれば、ますます地域の中心として面白いのでは。。
現地に行って、生の声を調査してみたいなぁ・・・。