いじめ
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頻度依存行動(社会心理学)
「いじめ」は、「地下鉄の落書き」、「窓割れ理論」、「エスカレーターでは左側が止まり右側が歩く(東京)」、「性能の悪いVHSを選択」と同じ、「頻度依存行動」である。よって、単純に加害者を罰するだけでは、なんの問題解決にも教訓にもならない。メカニズムを理解した上で予防策を取る必要がある(社会心理学的アプローチ)。
いじめのメカニズム
- いじめの発端はちょっとしたきっかけ。
- 絶対悪の子どもはほとんどいない(ゼロであると言い切りたいが、証明できない命題なので、「ほとんどいない」にしておく)。
- ほとんどの子どもは、自分もいじめる側に加担しないといじめられる側にされてしまうので、やむをえずいじめる側に加担する。これはエスカレーターで勝手に一人だけ違う行動しても周りに迷惑になるのと同じ。「同調圧力」とも言う。子どもの力だけでは圧力に抗うことは難しい。
いじめをなくすには(予防策)
- ちょっとしたきっかけの芽を摘み取る(ヒヤリ・ハットの法則)
- 教師は孤立した子どもを気にかける。
- 教師はほかの先生、保護者とのコミュニケーションを取る。
- 保護者も学校に関心を持つ。
いじめが発生したら
- 教師は断固とした姿勢で臨む。
しかし孤高では戦えない。
- 教師は状況を校長等に報告、支援を仰ぐ。
- 保護者会でも問題として取り上げ、保護者の理解を求める。
事後対策よりも予防策
- しかし、問題が発生してしまってから、まわりに理解を求めようとしても、責任逃れだと非難されかねない。事態が深刻になってからでは手を打ちづらくなる。そうならないためにも予防策が重要になる。
- 予防策の重要性は、ほかの犯罪や組織風土にも当てはまる。
大津市の事件についての所感
- 学校、教育委員会、市長に対する批判があるが(2012年7月)、果たして、保護者(被害者・加害者の保護者のみならず)は学校と十分なコミュニケーションが取れていたであろうか?
- 保護者は学校で起きていることに関心を持っていたであろうか?
- 保護者同士のネットワークはできていたであろうか?
- 保護者が学校に関心があり、保護者同士のネットワークがあったならば、学校での問題は事前に察知することができるのではないだろうか?
以上、PTA3年目を務めてみた実感である。
ソーシャルネットワーク(社会的ネットワーク)
- 保護者、学校とのコミュニケーションが取れているネットワークの形成こそが、本来の「ソーシャルネットワーク」の一つのパターンである。
- 原因を個人に帰結させても、それが加害者本人であろうがその保護者であろうが担任教師であろうが校長であろうが教育委員会であろうが、根本的な問題解決にはならない。
- 真の原因は、ソーシャルネットワーク(社会的ネットワーク)・関係性の欠如である。生徒、教師、保護者、地元のソーシャルネットワークを形成することにより、いじめは減らすことができる。ソーシャルネットワーク、社会心理学を考察してきた私の結論である。
社会心理学のネタ本
「いじめ」のメカニズムを分かりやすく解説している。
『心でっかちな日本人』
いじめの誘発要因
いじめって30人や40人の規模で一か所に集めているからなくならないんです。大学の大講堂みたいなところで授業をやって、コマごとにメンバーが入れ替わる形式であればいじめなんて起こらないじゃないですか。起きたとしても逃げやすいし。つまり、規模が大きくなると、ローカルな文脈の空気がどうでもよくなるんですよね。
出典:『静かなる革命へのブループリント』
編集履歴
- 2014.11.22 「いじめの誘発要因」を追加
- 2012.07.30 初稿 頻度依存行動から社会心理学まで
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いじめ の根絶はできないと思う。 絶対にできないと思う。 必要なのは、発見した時の対策だと思う。
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