サービスマネジメント
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サービスマネジメント
元来、「サービス」とは「モノ」に対する対義語である。しかし、時代は「『モノ』か『サービス』か」という二項対立から「『モノ』も『サービス』も」と言われるように複合化・ハイブリッド化へ移行し、「モノとサービスの共創による価値創出」が重要な鍵となってきている。分かりやすい例が、AppleのiPod/iPhone(プロダクト)+iTunesStore(サービス)である。
つまり、サービスマネジメントは、「イノベーション」に欠かせない要素となってきている。特に日本企業はまだまだ「良い技術・良い製品があれば売れる」というパラダイムからシフトできていない。技術開発・製品開発のみならず、「製品+サービス」のトータルな開発・提供が必要不可欠である。
日本国内での研究・実証
藤川佳則氏 一橋大学准教授
「サービス・ドミナント・ロジック」の提唱
諏訪良武氏 元オムロンフィールドエンジニアリング常務
著書「顧客はサービスを買っている」
変遷
研究分野での変遷
- 1970年代 サービスマーケティング
- 1990年代 サービスマネジメント
- 2000年以降 サービス工学
- 2004年以降 サービスサイエンス
(出典)藤川佳則2009
日本国内サービス業の課題
労働生産性の低さが課題である。米国での生産性を100とした場合の日本での生産性は次の通り。
- 医療 125
- 対個人サービス全般 90
- 政府 82
- 金融 81
- 広告・法務・技術 73
- 不動産 63
- コンピュータ 60
- ホテル・外食 57
- 卸・小売 55
- 運輸 45
- 研究開発 20
労働生産性=名目GDP/(労働時間x労働者数)
注)ここではサービス品質は考慮をしていない。生産性が高い=「安かろう悪かろう」かもしれない。また、数字は棒グラフの目視確認につき、読取り誤差が含まれている。
(出典)藤川佳則2009
(原出典)橋本正洋2006
サービスの特徴
プロダクトとの違い
- 同時性(Simultaneous)
- 消滅性(Perishable)
- 無形性(Intangible)
- 変動性(Heterogeneous)
(出典)藤川佳則2009
サービス品質
- 正確性
- 迅速性
- 柔軟性
- 共感性
- 安心感
- 好印象
上位ほど成果品質、下位ほどプロセス品質
事前期待のマネジメントが重要である。
(出典)諏訪良武2009
一方向的な価値提供から双方向の価値共創へ
モノ中心:一方向的な価値提供(交換価値の最大化)
- 価値の生産者:企業
- 顧客の役割:価値の消費
- イノベーションの対象:製品や技術
- 価値の源泉:新しい機能や性能(交換価値)
- 企業と顧客との接点:取引的(購買時)
モノとサービス:双方向の価値共創(使用価値の最大化)
- 価値の生産者:企業と顧客が共に
- 顧客の役割:価値を生産し、消費する
- イノベーションの対象:顧客とのインタラクション
- 価値の源泉:新しい機能や性能(交換価値):新しい顧客行動や顧客経験(使用価値)
- 企業と顧客との接点:継続的(購買前、購買時、購買後)
(出典)藤川佳則2009
ソーシャルメディアの役割
企業にとってソーシャルメディアは、事前期待の把握、購買前のブランディング、顧客とのインタラクションによる価値の生産・価値の提供を行うためのプラットフォームとなりうる。
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