読書メモ7月第一週/7/5分、2冊目3冊目
白日・北方謙三
海洋・若手能面士ハードボイルド。
もいっぺん書く。
海洋・若手能面士・ハードボイルド。
これ全部同一に成立させて、しかも「のめりこむほど面白い小説」に仕立て上げるのって、どういうことよ。
素晴らしすぎる。
おそらく、北方御大は「創造する厳しさ辛さ」を伝えたかったんだと思う。
作家・群を描くよりもそれはよく伝わったように思えます。
北方御大の「技量」そして「創造に対する真剣さ」が伝わってきます。
孤塁の名人・津本陽
津本陽ってこんなに小説下手だっけ?
驚いた。ブログにももったいない、チラシの裏にでも書け。
恐らくは、題材選びに失敗してしまったのではなかろうか。
そしてその伝え方も。
前述の北方御大の能面士の話では、主人公は能面を作ったら「それはもう俺の物ではない」と興味を失い、それに高値がついても「どうでもいい」という態度を取り続けるわけです。
「創造する者」というのはそういうものかもしれない・・・と凡百の我々は思うわけですが、本作「孤塁の名人・津本陽」では津本陽はそういう書き方をしない。
「こんなにすごい名人がいるんですよ」「すげーすげー」「神業としか思えない」「誰も真似できない!」(エビデンスがない)「ヒトに知られていないだけですごいんですよ!」「もう彼で絶えてしまうんですよ!」
「で?」
↑
津本陽、この質問を想定していない。
全くしていない。
対外試合にでない武術家ってのはそれでいいと思う。
オレは無敵だからあんなおままごとには付き合えないんだ、と弟子に言っておけばよろしい。
しかし「あまねく広くの読者に伝える作家先生」としてその態度はどうよ。
「俺は強い。そう思っていたけどこの先生はレベルが違う!」すいません、伝わりません。ていうか「で?」
津本陽、「自分の書きたい話しか書かないヒトだな~」とは思っていましたが、全てにおいて「稚拙さ」を感じる本でした。
もしかしてルポタージュとしているのなら、内容についてはどうでもいいです。神業先生は「オレは無敵だからあんなおままごとには付き合えないんだ」と弟子に言っておけばよろしいです。
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