G7 G8 G20と日本
2010年6月25・26日にカナダ・ムスコカにおいてG8サミットが開催され、26・27日に同じカナダ・トロントにてG20トロント・サミットが開催された。
米国は、対議会や国民との関係で短期的に何を得ようと考え、中長期的に何を目指しているのか。EU 諸国共通の利益がどこにあり、大陸ユーロ圏諸国との立場の違いは何か。英国、英連邦にも属するオーストラリアやインド、米国とともに米州からG7に参加するカナダの意図は如何なるものか。ASEAN諸国の共通の利益、中国、韓国、そして何より日本の国益は何か。日本は国連、IMF、世銀、G7、G8サミット、G20等の国際機関・会議を如何に戦略的に位置づけるべきか。
世界経済相互依存関係の上に世界第2の国民経済の活動を継続している日本にとって、少なくとも、世界経済及び通貨・金融システムの安定や貧困撲滅といったミッションは、中長期的に日本の国益ともなることは否定しようがない。歴史を紐解くまでもなく、外交・政治・経済の舞台から家庭内に至るまで「戦いは終わってからが勝負」である場合も多い。日本は第二次世界大戦を日独伊三国軍事同盟に従い枢軸国一丸となって戦ったと信じているが、ファシスト党党首ムッソリーニに率いられたイタリアはドイツ、日本より2年早く敗戦。フランスのレジスタンスが占領したナチズムと戦って勝利したように、現イタリア共和国政府は、ファシズムに対するレジスタンスが起源であり、本土決戦まで戦い抜いた日本から戦勝国として賠償金を受け取っていることを知る人は少ない。
いずれにせよ敗戦後、日本国民、企業、政府は良い戦い方をしてきた。これが第2の経済大国の国力を維持している結果でもある反面、今年中に中国に抜かれた後、将来これを維持・発展させる競争力の低下が心配されてきている。こうした点を念頭に、国連、国際金融機関等の第2の出資国として、G7、G20、ASEAN+3等のメンバーとして、日本の中長期的な国益を踏まえつつ、改革を真に意味ある改革とすべく、さらに戦略的な取組が求められる。
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